心よりご冥福をお祈りいたします。
漫画家で芸術家の楳図かずおさん死去 7月に胃がん判明
「漂流教室」「まことちゃん」などで知られる漫画家で芸術家の楳図かずおさんが10月28日に亡くなっていたことがわかりました。
88歳でした。
楳図さんは7月に末期の胃がんが見つかり、その後はホスピスで療養していたことがわかっています。
楳図かずおさん常に創作をアップデート 絵画作品も
漫画家として国内、海外で知れ渡っている楳図かずおさんですが「僕はもともと芸術家」と語り絵画作品も多く生み出していました。
2022年から2024年にかけて東京や名古屋、石川などで展覧会「楳図かずお大美術展」を開催。
芸術家として初めて展覧会を開いたことについてメディアから質問されると「皆さんからは漫画という認識をされている一方、漫画もそろそろ一歩上に登ってさらに高い所を目指さなければいけない。そう考えたとき、そこにあったのが絵画。これは芸術ですよね」とコメントしました。
そして楳図さんは、当時のイベントでは27年ぶりとなった新作「ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館」を披露。
こちらは1980年代に連載された漫画「わたしは真悟」の続編で、同作のパラレルワールドを描いた作品でもあります。
シンゴ美術館は一般的な絵画のように1枚で完結するのではなく、漫画のように連続体となった作品です。
これには楳図さんの「創作は新しくなくては意味がない」という思いが込められています。
絵画でありながら漫画の特徴も取り入れられた斬新な作品は、101点の作品で構成されました。
ちなみに楳図さんの絵画の展覧会はその後も複数回開催されています。
楳図かずおさんホスピスで新作構想 栄養ドリンク飲み息引き取る
末期がんで療養していた楳図かずおさんですが、創作意欲はまったく衰えることなく、面会に来た記者に「量子コンピューターに負けないような物語を作る」と語り新作の構想に励んでいました。
ところが10月に急激に体力が低下。
楳図さんは自らの設立した財団のスタッフに栄養ドリンクとおにぎりを頼み、調達された栄養ドリンクを飲むと「おいしい」と言い、その後まもなく息を引き取ったと言います。